商業施設などにおいて広告物を掲示したい時、最も手軽な方法は紙製のポスターや布製の垂れ幕などを張り出すことです。ただ、このやり方だと利用できるのは当然ながら紙なり布なりの面積分のスペースだけなので、より多くの内容を盛り込みたい時はそれに見合うだけの枚数が必要になります。しかし最近では、デジタル技術を活用して省スペースでも多くの内容をアピールすることのできる技術が開発されています。この技術を生かした広告媒体を、デジタルサイネージといいます。
デジタルサイネージは、文字やイラスト、写真画像などのデジタルデータを表示することのできる電子ディスプレイ装置です。いわゆるヴィデオ・モニターと似た特徴を持つ製品ですが、サイズや形状のバリエーションがより豊富で、壁に掛けたり架台の上に設置したりするほか、置き看板のように床置きすることもできます。デジタルサイネージは静止画像だけでなく、動画や音楽を再生することも可能です。そのため、広告宣伝目的以外にも、環境音楽を流したりヒーリング映像を放映したりすることで、施設内の雰囲気づくりに役立てることもできます。
ポスターや垂れ幕などと比べた場合におけるデジタルサイネージの最大の特徴は、表示内容をずっと固定するだけでなく、一定時間ごとに変化させることもできるという点です。この特性を利用すれば、たとえばポスターを２枚、３枚と複数用意しなくても、ディスプレイ上に次々と表示させることで複数の内容を広告することができます。